電子出版の作り方

電子出版を作ることはそこまで難しくありません。道具や手順さえ分かれば簡単です。
用意するものは電子出版化したい紙の書籍、スキャナー、そして裁断機です。
まずは紙の書籍を綴じているホッチキスを取り除きましょう。いきなり裁断に入ってしまうと裁断機の刃が欠ける原因にもなり危険です。次に紙の書籍の裁断に入ります。紙の書籍から綺麗な状態で電子出版のファイルを作成するために紙の書籍をきちんと裁断してください。手を止めることなく両面を綺麗にスキャンするために紙の両端を揃えて裁断機にかけてください。電子出版にするために紙の書籍をバラバラにするだけならばカッターでも間に合うのではないかと思われがちですが、カッターだと真っ直ぐに切れないこともありますし時間もかかってしまいますが裁断機ならば、ズレが生じることなく1発でカットすることができます。どうしても裁断機が用意ができない場合はレンタルや電子出版代行サービスなどに頼んでみましょう。
裁断が終わり紙をバラバラにすることができたら、次は取り込みです。スキャナーもまたいくつか種類があり、漫画などの電子出版化に向いているもの、小説などの活字ものの電子出版化に向いているものなど様々です。また、ScanSnap SV600というスキャナーがあり、このスキャナーを使うと書籍の裁断をしなくても綺麗に電子のデータに変換できます。スキャンを終えたらトリミングや明るさ調整など画像補正をして、電子出版を閲覧する端末に対応した規格で保存してください。
電子出版化はこれで完了です。しかし電子出版のデータの管理も怠ってはいけません。そのまま電子出版のデータをパソコンに入れておくとパソコンが壊れてしまったときに電子出版のデータがすべて消えてしまいます。そうならないために外付けのハードディスクやオンラインストレージなどを使って電子出版のデータのバックアップを取っておきましょう。


電子出版の規格

すべての電子出版があらゆる端末に対応しているというわけではありません。特に電子出版専用端末は対応している規格が予め決まっているものが多いです。
電子出版を始める前に、まず自分の持っている電子出版専用端末がどの規格に対応しているものなのかを知り、その電子出版の規格をサポートしている閲覧用のアプリケーションを手に入れなければなりません。
現在Google Books、iPadなどにも採用されているePUBは、数ある電子出版の規格の中でも最も有名な電子出版の規格といわれています。アメリカの電子出版標準化団体IDPFが推進している電子出版の規格でアメリカでは既にスタンダードなファイル形式として知られています。特徴として文字の大きさや配列を、端末や画面の大きさに合わせて自動的に調整されます。
既にご存知の方も多いと思われるデータ形式、PDFファイルも電子出版の規格に使われています。PDFはアドビシステムズが開発したファイル形式です。Adobe Readerなどのアプリケーションでこの規格の電子出版を閲覧できます。こちらの規格は元となる原稿のイメージを忠実に再現することを目的として作られているため、端末の画面サイズに合わせたテキストの自動調整はされません。拡大表示をすれば表示されない部分が出てきます。
他にもPDFと同じアドビシステムズのファイル形式で、電子出版の不正コピーや悪用ができないよう保護されているACSM、シャープが開発した縦書きなど日本独特の原稿に強いXMDF、Kindleで有名なAmazonの独自の電子出版の規格AZWなどがあります。
このように電子出版の規格が乱立しているようにみえますが、アップデートによって特定のファイル形式が他の形式をサポートすることも多くなってきました。ですから、規格の種類を気にせず使用を続けてもさほど問題はないでしょう。


電子出版の代行

手持ちの書籍や雑誌など紙の媒体をスキャナーで読み取り、電子出版専用端末やスマートフォンで見ることのできる画像のデータに変換し電子出版化を行うサービスです。スキャン代行サービス、電子出版化代行サービスともいわれています。また自ら電子出版化を行うことをネットスラングで自炊とも呼ばれており、そこから自炊代行サービスと呼ばれることもあります。
電子出版化代行サービスは裁断機やスキャナーなどの電子出版化するために必要な機器のレンタルや、機器の利用のみを提供するものから、電子出版化の作業すべてを業者が行うサービスまで種類は幅広く様々です。
多くの電子出版化代行サービスは、まず依頼者に対象となる紙の書籍を送付させて、受け取った紙の書籍を裁断して各ページをスキャンし、JPEGやPDF形式などのファイルに変換して、変換後の電子のデータを依頼者に渡すまでのサービスが一般的です。他にも裁断の処理のみを代行するサービスや、裁断をしないでスキャンをする非破壊型電子出版化代行サービスなどもあります。
こうした代行サービスを利用することで自ら本を裁断したりスキャナーで読み取ったりといった時間がかかる作業を省き、自分の好きな書籍を電子出版として楽しむことができます。
電子出版化代行サービスは、電子出版が広く一般に浸透しはじめて電子出版元年とも呼ばれた2010年半ば以降から多数の個人ユーザー向けサービスが登場して一般的なものとなりました。


電子出版の著作権

現行の出版権は電子出版を対象としていません。そのため出版した電子出版の海賊版がインターネット上で出回ったとしても、現在の法律では出版社から訴えを起こすことができないのです。しかし著者は紙の書籍だけでなく電子出版に対しても権利を持っています。したがって、著者ならば電子出版の海賊版に対して訴えを起こすことができます。
とはいうものの電子出版に限らず出版とは著者が一人で行えるものではありません。著者は出版社に相談もなく勝手な行動をすることはできません。また電子出版の市場が今よりも一層拡大していけば出版社の利益も保護をする話になっていくでしょう。 そのため著者は紙媒体での出版の契約を交わす際も、CD-ROM化、インターネットによる配信の有無など電子出版に関わる契約についても決めておく必要があります。
また電子出版は紙の書籍とは違って画像だけではなく、動画や音声なども挿入できることが一つの特徴です。したがって音楽を挿入する場合なら、楽曲の作詞者と作曲者に許諾を取る必要があります。そのまま流用すれば当然ですが著作権侵害で訴えられることになりますので自分の作品以外の何かを使用する際は注意してください。
電子出版の出版は一見すると紙の書籍よりも簡単に作れてルールも優しく見えるかもしれません。しかし電子出版は紙の書籍と同様紛れもなく書籍です。そして電子出版ストアで配信したときかられっきとした著者になるのです。電子出版の出版を目指す場合は、改めて電子出版についての勉強をしておいた方がよいでしょう。
また、電子出版自体がまだ生まれたばかりですから電子出版に関わるルールはこれからも追加されていくことでしょう。



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